日々の身辺雑記や考えたことなどを徒然なるままに書き連ねる「断腸亭日録」です。
映画の日々 | エッセイ | 思い出 | 身辺雑記 | 日録 |  | 自転車 |  | 小さな旅(自転車) | 小さな旅 | 旅(自転車) | 未分類 | 自転車文学 | 
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
断腸亭日録~自転車日記
≪2017.06  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  2017.08≫
プロフィール

higedancho

Author:higedancho
断腸亭髭爺です。
自転車関係の日記が多いです。
よろしく。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム
フリーエリア
ブロとも一覧
--.--.-- --
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告    Top↑

2005.09.07 Wed
台風異聞・ゴジラのイメージ
今回もまた、台風が日本列島に上陸して、現在、北陸沖を駆け登るように北上中である。

台風の記憶。

不謹慎の誹りを恐れずに言えば、子どもの頃から、台風が近づいてくると、何かこう、うきうきしてしまう自分がいる。
ただこれでも、太平洋に突き出た海辺の街で育った私にとって、台風の恐ろしさは重々承知しているつもりではあるのだ。
家の下の川が冠水して、親戚の家が濁流に飲み込まれたのもこの眼で見たし、友人の家が潰れて、泥土にまみれた倒壊家屋の片づけを手伝ったこともある。

にもかかわらず、うきうきしてしまうのは、台風が近づいてくると、子どもの私にとっては、あたかも、祭りの準備が始まったかの賑わいのように感じられたからだ。
いつもは「面白味のない」大人たちが、俄然、にわかに騒ぎ立つ。
台風に備えて、戸板を打ち付ける音や屋根瓦の補修をする掛け声があたりから聞こえてくる。
八百屋や魚屋への買い物だって、今の内に済まさなければ・・・。

いざ台風が間近に迫ってくると、家中の雨戸は全部閉めきられ、昼でも家の中は夜のような雰囲気になる。
外では轟々と風が吹き、戸板に雨が突き刺さる。
低気圧特有の濃密な湿気とともに、身体全体が膨張するような感覚に満たされて、それが何故か、不思議な興奮を呼び起こす。
私たち子どもは、飴や煎餅をもって、(台風から身を守る)塹壕かトーチカに退避するような気分で押入の中に忍び込み、一緒に押し入れに入った子どもたちやそこにある蒲団と奇声をあげながら戯れあう。
そのときの何とも言えぬ興奮は、どこかエロティシズムに通じるような感覚でさえあった。
高揚感と言ってもいい。

台風のイメージ。

今回の台風は、長崎県に「上陸」した。
この上陸という言い方自体が、そもそも、台風を擬人化している証拠である。
台風は、南からやって来て、日本列島に上陸し、北上して消滅する。
まるで、ゴジラみたいに・・・。

ゴジラは、遠い南海から海原を渡って列島に到来し、上陸して、山を越え、川を跨ぎ、街を破壊し、何らかの理由で消滅する。
1954年のシリーズ第一作では、観音崎に上陸し、東京の街を蹂躙し、国会議事堂を破壊した。
第二作目では大阪城を灰燼に帰し、その後も、名古屋城や新東京都庁など、日本の政治と文化の象徴を破壊し続けた。

しかし、台風を体現したかのゴジラは、実は、もう一つの歴史的な記憶と結びついているように思う。

それは、太平洋戦争における、米軍による日本列島の襲撃である。
米軍は、南の島々(フィリピン島やサイパン島)を占領した後、沖縄に上陸した。
そこを拠点に、本土の都市に対して、一夜にして10万人以上の人々を無差別に爆殺するというゴジラ並の大災禍をもたらした。
それを迎撃つべき帝国陸海軍は、まるで、映画ゴジラに登場する「防衛軍」の如く、ひねり潰されるだけで、まったく歯が立たない。
ゴジラの到来に、家財を積んだ大八車を引きながら逃げまどう姿は、まるで、空襲下の日本人の姿そのものではないか。
そして、極め付きは、原子爆弾の投下・・・。

原子爆弾。
そうなのだ。
そして、ゴジラこそまさに、原子爆弾の申し子なのである。
ゴジラは、米国の原子爆弾実験によってまき散らされた放射能が原因で奇形化した巨大生物なのである。

米軍の攻撃に対する怨念と恐怖心、台風に寄せる伝統的な畏怖心、原爆の破壊力への怯懦とその放射能に対する不安感。ゴジラは、そうした諸々の記憶と感情を体現した存在なのではないか。

そう言えば、第2作目の『ゴジラの逆襲』(1955年)では、海洋会社に勤務するパイロットが氷壁を爆撃することによりゴジラを氷塊の中に埋もれれさせることで落着している。映画の中では、このパイロットは、元零戦乗りだったとされている。まさに、敗戦の、遠回りな意趣返しのような話しではないか。
因みに、国家警察予備隊が正式に自衛隊になるのは、この映画が公開される前年のことだった。


エッセイ    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

Comment

管理者にだけ表示を許可する

Top↑

TrackBack
TrackBackURL
http://danchotei.blog75.fc2.com/tb.php/8-b204f1fb

Top↑

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。