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断腸亭日録~自転車日記
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2013.04.03 Wed
新品チェーンの初期グリスの扱いについて~シェルドン・ブラウンに学ぶ
自転車のチェーンのことを思うにつけ、いつも感じるのは、こんな「精巧」な部品がこんなに安くてよいものだろうかということである。
一番普及しているシングル(ママチャリ単速)用のチェーンなら千円以下、多段用でも、いろいろグレードはあるものの、千円代(6~9速)から2~3千円(9~11速)ぐらい(但し、チェーンのグレードは、大抵の場合、材質や設計の差異ではなく、塗装の差異ではあるが)。

チェーン
(自転車のチェーン)

以前、使用済みのチェーンを利用して、キーホルダーを何十個も作ったことがあったが、その際も、(ローラー)チェーンというのは、実に偉大な発明品だと感心したものである。
思えば、前輪駆動時代から、現在の殆どの自転車の原型となった後輪駆動に転換するのに大きな役割を果たしたのも、チェーンであったことはよく知られている。

さて、そのチェーンだが、自転車乗りの皆さんは、どんなメンテナンス(修繕)の仕方をしているであろうか。

自転車の部品は、いつかは壊れて交換しなければならなくなるのは、他のすべての「形ある物」の常であるにしても、できるだけ、長持ちさせたいし、快適な状態で使いたいのは当然のことである。

しかしながら、かく言う私にして、実は、チェーンの掃除はほとんどしない。
チェーンが伸びて変速性能が低下したと感じられたり、見かけ上、えらく汚れてきたり、錆が浮いてきたりした場合は、まだあまり距離を走っていなくても、一番安い9速チェーン(HG53)に即交換。
古いチェーンは、状態によっては、多段ママチャリに卸して再利用することにしている(註1)。

ことほどさように、私はチェーンの掃除について語る資格がないので、ご関心の向きは、このサイトあたりを参考にされたし。

chain-innerouter.jpg
(自転車チェーンの構造)

さて、ところで、チェーンの扱いに関して、かねてより、私が疑問を感じていたことがある。
それは、新品のチェーンに塗布されている初期グリスをどうするかという疑問である。
これについては、諸説あって、どれが「正しい」のか分からない。

諸説と言っても、およそ次の二つの意見に大別できる。
1.石油など(の洗浄剤)を使って初期グリスを徹底的に落としてから、自分の方法で注油して使用。
2.何もせずにそのまま使用。

私としては、1が正しいと思っていた。
ただ、正しいとは思っていながら、面倒くさがり屋の性分にて、結局、2の方法に甘んじてきた。
まさしく、思想と行動が乖離するという、よく見られる現象ではある。

1の意見の持ち主は、ベテランの自転車乗りに多く、確信的で説得力もある。
2の意見の持ち主は、自転車初心者からベテランにまで遍在するが、無意識的で消極的である。

だから、「本当は1の方がいいんだけど、とりあえず、2の方にいておこうか」派が、多数を占めているのではなかろうか・・・。

ところが、先日、ちょっとしたこと(固定ギア車について)を調べたくて、私が愛読しているとともに、自転車のことに関しては一番本格的かつ信頼できるサイト、「シェルドン・ブラウンの自転車技術情報(Sheldon Brown's Bicycle Technical Info)」というページを見ていたら、この件に関して、実に歯切れの良い記述があって、目から鱗が落ちた思いがしたので、そのことを少し書いておきたい。

シェルドン・ブラウン(1944~2008年)というのは、自転車の技術の歴史や仕組みに関して、アマチュア的な姿勢に徹しながら、百科全書派的な「研究」をした米国人。
残念なことに、5年ほど前に惜しくも他界したが、彼のHPは現在でも健在である。

シェルドン・ブラウン
(自転車を楽しむことを貫いた、在りし日のシェルドン・ブラウン)

彼の「研究」には、自転車を「楽しむ」という姿勢が貫かれていて、自転車を愛する人には、彼の自転車への傾注ぶりに、ある種の畏敬の念をさえ禁ぜざるを得ないであろう。

さて、その自転車のチェーンに関するシェルドン・ブラウンのページ(「チェーンのメンテナンス」)は、冒頭からしてこう始まる。

「チェーンのメンテは、一番意見が別れる領域である。チェーンの耐久性は、その人の乗り方、変速の仕方、雨や雪の日に乗るかどうか、走る地域の土壌、注油の種類やその方法、スプロケの歯数やその状態に大きく左右されるからである」。

シェルドン・ブラウンの記述は、常に科学的な方向を追求する。
この態度は、日本の自転車批評界は大いに学ぶべきである。
世に流布する多くの自転車雑誌の、いわゆる「インプレ(使用感)」の記事には、その場限りの試乗者の印象とスポンサーの思惑ばかりの、毒にも薬にもならない文章が横行している。
もっと、ある種「公明正大」な視点から、あるいは、「科学的」な視点から、自転車の世界に切り込んでほしいと思う。

語を継いで、彼はこう書いている。

「・・・いろんな人がチェーンのメンテについてそれぞれの一家言を持っているものの、それも、とどのつまりは、根拠のない個人的な「体験的印象」に過ぎない。チェーンのメンテに関しては、自転車の専門家でさえ、ときに鋭く意見が対立することもあるほどである。その意味では、チェーンのメンテというのは、それぞれの人の「信仰」に近い要素がある・・・」。

この「信仰(religious)」という言葉は、日本的な風土においては、「単なるこだわり」と訳してもよいかもしれない。
因みに、この「こだわり」という日本語は、そもそもは、「自らの思想(ないしは趣味)と実践との一致を貫き通すこと」を意味したが、最近では、「根拠が薄弱でも許される独りよがりの好み」の意味で使われることが多くなって、言葉としての価値を著しく下落させつつある。

こうした前置きをしながら、シェルドン・ブラウンは、さらに念を押すように、次のように書いている。

「ただし、この論考にしてみたところで、私自身のこれまでの体験や理論に基づいているもので、もし、読者諸氏が私の意見と違っていても、そういう方々のことをアホ呼ばわりするなどというつもりは毛頭ない・・・」。

さて、チェーンの初期グリスの扱いについてであるが、シェルドン・ブラウンはこう主張している。

「新品のチェーンは、あらかじめ、工場においてグリスのような比較的粘度の高い塗油が施されている。この工場での塗油は、非常に優れたもので、チェーンの細部まで油が浸透している。
工場の塗油は、その後に使用者が施すいかなる油よりも優れている。
だから、工場の塗油された優秀な初期グリスをわざわざ洗浄してしまうのは、大きな間違いである。
工場の塗油は、かなりの長距離を、たとえ雨や土埃の中を走っても堪えられるものなので、新品のチェーンには、どうしても再注油が必要になるまでは、どんな種類の注油も施してはならない
・・・」。

なるほど、自転車の新品チェーンは、何もせずに、そのままの状態で交換すれば良いということか。
これは、生来ものぐさな私の性向にも適っていて、実にありがたいことである。
今後とも、自信をもって、「何もしない」ことにしよう。

ただし、この考え方に強い疑念を抱く人もいることであろう。
だが、そもそもこの手のことは「信仰」の問題であるので、せいぜい、現在世界で繰り広げられている馬鹿馬鹿しい宗教対立に発展しないように意をはらいたいものである。

註1
自転車のチェーンは、仕様によって太さは違うがピッチは同一なので、その互換性は高い。
但し、多段仕様の場合、おおよそ、次のような原則がある。

「スプロケの段数<チェーンの仕様段数」は○。
「スプロケの段数>チェーンの仕様段数」は×。

つまりは、たとえば、6段のスプロケに9段のチェーンは○だが、その逆の、9段のスプロケに6段のチェーンは×。
やってみればすぐに分かるが、たとえば、9速仕様に6~7段用のチェーンを付けると、絶えず、チェーンは大きなギアへ上ろうとガチャガチャ音を立てることになる。

テーマ:自転車(スポーツ用) - ジャンル:スポーツ
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Comment
Posted by nebaneba
チェーングリス、なるほど納得しました。
信仰はこだわりと和訳することもね。
2013.04.03 Wed 11:03 URL [ Edit ]
こだわりと実験 Posted by 断腸亭
nebanebaさん

われわれ自転車乗りには、常に実験精神が大切だと思いました。
各人それぞれの「こだわり」を保証するのは、誰がどう言っていたかではなく、自分が試してみたかどうかですね。
2013.04.04 Thu 07:16 URL [ Edit ]
飽きない Posted by kincyam
シェルドンさんのHPは飽きませんね。Google翻訳でそれとなく意味が判るし、写真も多い。自転車に徹底的にこだわっている方です。こういう生き方もありですね。
2013.04.09 Tue 05:21 URL [ Edit ]
「本筋」としての趣味 Posted by 断腸亭
kincyanさん

趣味というと「余技」だと考えられがちですが、趣味に徹することこそが生きる「本筋」のような気がしています。
シェルドン・ブラウンは、まさにその鑑だと思います。
でも、ある意味で、しんどい道かもしれません。
2013.04.10 Wed 21:43 URL [ Edit ]
管理人のみ閲覧できます Posted by
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013.04.16 Tue 14:36 [ Edit ]
概ね同意 Posted by ふ゛り
はじめまして。
他のエントリーともども興味深く読ませて頂いております。
私もほぼこの考えにほぼ同意なのですが、ほぼというのが初期塗布の油脂があまりに定着性が良く、粘度も高めのため、ホコリを呼ぶこと吸うこと。

なのでチェーンを装着した後に、CRCで湿潤したウェスでプレートサイドのみグルグルと拭い、汚れを呼ばぬようにしています。
2013.07.07 Sun 11:09 URL [ Edit ]
GDN Posted by
古い記事に失礼

Dura-Aceのチェーンを新品で包装から出したまま使うと、それが正しいのかどうかすぐに分かりますよ。

保管用のオイルと走行用のオイルは似て非なるものです。

 
2014.12.02 Tue 05:20 URL [ Edit ]
GDN Posted by

実際に自分でやった上でのお話です。
やれば分かります。

 
2014.12.02 Tue 05:22 URL [ Edit ]
Posted by なのしさん
やってみたけどわかりませんが?v-236
2015.04.16 Thu 21:00 URL [ Edit ]

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