日々の身辺雑記や考えたことなどを徒然なるままに書き連ねる「断腸亭日録」です。
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断腸亭日録~自転車日記
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2011.10.17 Mon
ある「淫祠」の存在~たまには自転車を駐めてあたりを散策してみよう
大正の初めに刊行された永井荷風の『日和下駄』(『永井荷風随筆集』上巻[岩波文庫]所収)が、今なお、優れた「江戸東京案内」であることは、以前のブログでも書いた。

この書の中で、荷風は「淫祠(いんし)」という章(第2章)を立てている。

「裏町を行こう、横道を歩もう。かくの如く私が好んで日和下駄をカラカラ鳴して行く裏通にはきまって淫祠(いんし)がある。淫祠は昔から今に至るまで政府の庇護を受けたことはない。目こぼしでそのままに打捨てて置かれれば結構、ややともすれば取払われべきものである。それにもかかわらず淫祠は今なお東京市中数え尽されぬほど沢山ある。私は淫祠を好む。裏町の風景に或趣を添える上からいって淫祠は遥に銅像以上の審美的価値があるからである」(岩波文庫版、20頁)。

「淫祠(いんし)」というのは、神道や仏教や儒教のような大宗派には属さず、それが故に、権力の庇護を受けられない、土俗信仰の類の流れをくむ祠(ほこら)だとか石像のことである。
道祖神やお地蔵様や庚申塔やお稲荷さんなどがその代表例で、いずれも、公的な宗教よりもはるか以前に淵源するような民間信仰の産物である。

あちこちを自転車で走っている人は、至る所で、この手の淫祠に出会ったことがあるはずである。
峠や古街道筋だけではなく、都心や下町の裏路地にも、あるいは、神社仏閣の片隅に忘れられたように置かれていることもある。
大抵は、何の説明板もなく、その由来を知ろうとしても、彫ってある文字が摩耗して見えなかったり、あるいは、見えても読めなかったりして、そのまま通り過ぎてしまうことが多い。

画像 063
(荷風が淫祠の一例として取り上げている、東向島の「子育て地蔵尊」。「寺じまの記」の中で、「路端に石地蔵が二ツ三ツ立っていたように覚えているが、今見れば、奉納の小さな幟が紅白幾流れともなく立っている。淫祠の興隆は時勢の力もこれを阻止することが出来ないと見える」と書いている)

先日のこと、いつもの通勤路を走っていて、突然、サドルバッグに取り付けてある後照灯がカタカタ鳴っているのに気づいて自転車を止めた。
私が愛用している100円ショップの後照灯は、稀に中で電池があばれて蓋が外れそうになることがあるので、その蓋をきっちり閉め直して、ふと傍らを見ると、民家の軒先に一体のお地蔵様がおられた。

IMG_0041_20111017052824.jpg
(「発見」したお地蔵様。葛飾区四つ木2丁目・地図

実に穏やかな、何というか古代的な微笑みを感じさせるような素晴らしいお地蔵様だった。
石像の下には、何やら文字が彫られているが、とても判読できない。
祠の傍らに石板もあるが、こちらも読めたものではない。
でも、多分、江戸期のものであろう。

それよりも、私が非常に恥ずかしく思ったのは、この道は、通常通勤路として、すでに千回以上も往来していたにもかかわらず、これまで気がつかなかったことである。
オレの眼は、節穴か!
しかも、この道は、私がこれまでに得意気に吹聴してきた「古東海道」の道筋でもある。

IMG_0043_20111017054537.jpg
(「古東海道」筋に置かれた地蔵堂。この道は、すぐ先の国道6号線に阻まれて一端は途絶するが、その先まで延びている)

週末、私は、さっそく葛飾区の図書館に行って、このお地蔵様の由来を調べてみた。
なかなか適当な資料を探せなかったが、ついに、そのお地蔵様のことが記されている冊子を発見した。

区の教育委員会の社会教育課が発行した『葛飾区石仏調査報告』(1982年3月刊)に載っていた。

IMG_0065_20111017061325.jpg
(当該お地蔵様について記載のあるページを撮影)

これによると、地蔵様の台座に彫られた文字は、以下。

正面;
「四ツ木村 念仏供養 講中 敬白」
右面;
「亨保拾六辛亥天」
左面;
「十月吉祥日」

つまりは、これを造立したのは、当時の「四ツ木村」の村人たちで、吉宗の頃の亨保16年(1731年)であることが分かった。

古東海道がここを通るようになってから、ゆうに一千年以上になるが、およそ300年前から、このお地蔵様は、人々の往来を見守ってきたことになる。

かねてより感じていたことだが、路傍の諸々をつぶさに観察するには、自転車の速度は速すぎることがある。
これからは、ところどころで自転車を駐めて、あたりを徒歩で散策するようにしなければと思った次第である。

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用
小さな旅(自転車)    Comment(8)   TrackBack(0)   Top↑

Comment
何故だろう? Posted by しゃあ あずなぶる
我が家の信仰と「淫祠」って言葉。
面白そうな繋がりがありそう。

千年以上前から存在する道。
七百年程経ってから、お地蔵様を置いたのは何故でしょう?
村の境界かな?魔除けかな?
2011.10.17 Mon 08:23 URL [ Edit ]
ちょっとお願いが・・・ Posted by たすけ
「淫祠(いんし)」...初めて知りました。勉強になります♪

お願い事は、yogiさんの【時空を超えて~歴史と地図~】に
何度かコメントを入れているのですが、どうしてもエラーと
なり投稿失敗になってしまいます。

お手数ですが、以下をコピーして代理投稿頂けないでしょうか?

-------------------------------------------------

はじめまして。私、断腸亭さんの輪友で流山在住のたすけと申します。

断腸亭さんには、常々「爺に引かれて善光寺参り」で楽しい歴史ポタに参加させて頂いております(笑)

yogi様のブログも、大変興味ある記事ばかりで、読んでいて、楽しく為になります。

他にも歴史(時空)ポタフリークが大勢おりますので、よろしかったら、http://potte.seesaa.net/ にご登録なさってください(^-^)

-------------------------------------------------

たすけ URL:http://sazaepc-tasuke.seesaa.net/
2011.10.17 Mon 22:39 URL [ Edit ]
今度、教えて下さい Posted by 断腸亭
しゃあさん

そうなんですか。
どういうことだか、今度、教えて下さい。

村の境界というのではなく、村人の安寧と道中の安全のような感じだと思います。
2011.10.18 Tue 07:33 URL [ Edit ]
やはり、エラーで投稿できません Posted by 断腸亭
たすけさん

淫祠は夥しくあるので、一生、楽しめそうです。

私も、yogiさんの【時空を超えて~歴史と地図~】には、敬服しております。
http://yogimessage.seesaa.net/

さっそくブログコメントに、たすけさんの文章を書き込もうとしましたが、何故か、エラーが出てしまいます。

それと知らずに、禁語が入ってしまっているのでしょうか?

文面を変えて、試みてみて下さい。
2011.10.18 Tue 07:37 URL [ Edit ]
お手数をおかけいたしましたm(_ _)m Posted by たすけ
やっぱりだめですかぁ。
文中のURLアドレス削ったり、文面も何通りか変えてみたのですけどねぇ。
ま、これも淫祠と同じ読み取れないミステリアスと、気長にチャレンジしてみます(笑)
2011.10.18 Tue 09:17 URL [ Edit ]
Posted by kincyan
このような街中の小さな祠を調べて回るには、歩きが一番ですね。こないだ土曜も、渋谷から新宿まで歩きましたが、神社の横には小さな祠が幾つもありました。日本は、何でも祭ってしまうので、小さな神話が幾つも残っていますね。
2011.10.18 Tue 12:37 URL [ Edit ]
幸せでした Posted by 断腸亭
kincyan さん

おっしゃる通りですね。
八百万の神の住まう列島に生まれて幸せでした。
キリスト教やイスラム教のような一神教は、たぶん、私のような者にはソリが合わないでしょうから。
淫祠は、仏教などの影響を受けていますが、丸裸にすれば、縄文期の古代原始宗教の顔が見えてくるかもしれません。
2011.10.18 Tue 17:52 URL [ Edit ]
「メッセージを送る」というボタン Posted by 断腸亭
たすけさん

ブログページの右欄に、「メッセージを送る」というボタンがあります。
これを利用なさってはいかがでしょうか?
2011.10.18 Tue 18:05 URL [ Edit ]

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