日々の身辺雑記や考えたことなどを徒然なるままに書き連ねる「断腸亭日録」です。
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断腸亭日録~自転車日記
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2011.07.05 Tue
志賀直哉の「自転車」を読む2~ノーヘル・ノーブレーキの直哉
2.自転車のひよどり越え

志賀直哉と言えば、学習院時代は、大変な勉強嫌いだった(常に最下位を争って2度落第している)一方で、テニス、水泳、ボート、ラグビー、棒高跳び(高校生の時、3メーター17センチを飛んだという)など何でもこなす万能スポーツマンぶりを発揮していたというが、自転車の方も、なかなかの乗り手だったことが分かる。

まず、毎日の通学は、もちろん自転車。麻布三河台(現・六本木4丁目付近)の自宅から学習院まで往復約18キロ。
自転車倶楽部(「双輪倶楽部」)の仲間と、稲毛海岸まで「遠乗り」(美しい言葉ですねえ。復活させましょう)をしたこともあるという(往復約80キロ)。
他にも、千葉や江ノ島にもよく行ったという(それぞれ、往復で約90キロと約110キロ)。
また、「横浜往復の遠乗りは数えきれないほどした。遠乗りとも思っていなかった」(387頁)という(横浜往復で、約70キロ)。

直哉住居跡
(学習院時代の直哉が住んでいた住居跡地。麻布三河台(現・六本木4丁目付近))

さらに、志賀直哉少年は、学習院のフランス語教師がオーディナリー車(ダルマ型自転車)で九段坂を降ったという話しに触発されて、「東京中の急な坂を自転車で登ったり降りたりする事に興味を持った」(385頁)。
三分坂(赤坂)、霊南坂(虎ノ門)、江戸見坂(虎ノ門)など。
中でも、出色なのは、小石川の切支丹坂(きりしたんざか)の下りに挑戦した際の記述である。

「恐ろしかったのは小石川の切支丹坂で、昔、切支丹屋敷が近くにあって、この名があるといふ事は後に知ったが、急ではあるが、それほど長くなく、登るのはとにかく、降りるのはそんなにむずかしくないはずなのが、道幅が一間半ほどしかなく、しかも両側の屋敷の大木が鬱蒼と繁り、昼でも薄暗い坂で、それに一番困るのは降り切つた所が二間もない丁字路で、車に少し勢がつくと前の人家に飛び込む心配のある事だつた。私はある日、坂の上の牧野といふ家にテニスをしに行つた帰途、一人でその坂を降りてみた。ブレーキがないから、上体を前に、足を真直ぐ後に延ばし、ペダルが全然動かぬやうにして置いて、上から下まで、ズルズル滑り降りたのである。ひよどり越を自転車でするやうなもので、中心をよほどうまくとつていないと車を倒してしまう。坂の登り口と降り口には立札があつて、車の通行を禁じてあつた。しかし私は遂に成功し、自転車で切支丹坂を降りたのは恐らく自分だけだらうという満足を感じた」(385-6頁)。

自転車乗りというのは、いつの時代でも、同じようなことを考えるもので、たとえば現在でも、「大江戸じてんしゃ三昧」というグループが、東京の坂を片端から登るという面白い企画を立てたりしている。

さてここで注目したいのは、直哉の下り方である。
まず、彼の自転車にはブレーキがなかったと書いてある。
ということは、固定ギアの自転車であることが分かる(現在の、ある種の幼児用自転車やピストレーサーと同方式)。
なので、ペダルが廻らないようにしっかりと足で固定する。
しかし、それだけでは、後輪ががロックしてしまって前に進むことができない。
そこで、前方に重心を移すことによって後輪にかかる体重をできるだけ解放することで、前輪だけを回転させて、後輪は絶えずスリップさせるような状態で「ズルズル滑り降りた」というわけである。
1世紀以上も後になって、今さら直哉少年を叱責するつもりはないが、彼はノーヘル・ノーブレーキで東京の街を走り回っていたことになる。

ピスト
(現代のピストバイク)

ただ、この走行法(ないしは制動法)は、固定ギアの自転車に乗っている人なら、必ず習得しなければならない技法(スキッド)なので、普段から路上で使っていた方法を坂降りに応用したにすぎないとも言える。

さて、ここまで書いて、どうしても、切支丹坂を見たくなったので、通勤の途中に寄ってみることにした。
それについては、次回、書くことにしたい。

IMG_0292.jpg
(直哉が通っていた学習院の仏語教師が乗っていたオーディナリー型自転車。江戸東京博物館にて撮影)

(続く)

テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用
自転車文学    Comment(11)   TrackBack(0)   Top↑

Comment
挑戦者だなあ。 Posted by しゃあ あずなぶる
先日、ママチャリのパンク修理をしていたら、息子が大いに驚きました。
「パンクって、修理できるんだ!パンクしたらお釈迦だと思ってた」
パンクの経験も修理の様子も、見た事がなければ仕方ないか・・・・。

直哉の「やってみよう」精神は、凄いですね。
2011.07.06 Wed 06:26 URL [ Edit ]
Posted by フリー
コースターブレーキは全然こわくないですけど(DAHON MU UNO),固定ギアとノ―ブレーキはこわくて乗れないです。若者たちはよく乗っているよね。

ただ、変速機能がわずらしいという気持ちはわかります。シングルギアは解放感あるんですよね。多少不便なんですが(坂道とか)、その不便さも楽しめるという側面があります。
2011.07.06 Wed 10:15 URL [ Edit ]
凄いなぁ。 Posted by しゃあ あずなぶる
フリーさん。凄いってか強いですね。
ボクにとって上り坂は、苦痛でしかないですよ。
2011.07.07 Thu 04:17 URL [ Edit ]
自転車で坂を登ること Posted by 断腸亭
しゃあさん

昔は、軒先で、パンクの修理をするオトウサンの姿を見かけたものですが、そういう姿は見なくなって久しいですね。
やはり、子供は大人の背中を見て育つものなので、息子さんには良い教育になったと思います。

日本は、平均標高が400メートルもある山国なので、坂を避けることはできません。
自転車で坂を登るのは、私も好きではありませんが、だからと言って嫌いでもありません。
大きな峠を登り詰めた快感は、何ものにもかえがたいものです。
今度、手近な峠をやってみませんか?
2011.07.07 Thu 05:36 URL [ Edit ]
自転車の原点である固定ギア車が欲しい Posted by 断腸亭
フリーさん

シマノからコースターブレーキのハブが出ているんですね。
知りませんでした。
まあ、主として、ヨーロッパ輸出向けだと思いますが・・・。

志賀直哉の文章を読んでいたら、ますます、固定ギアが欲しくなってしまいました。
型落ちしたピストのフレームを買う→後輪だけ比較的良い物を買う→自分で組むということで、安上がりに仕上げられればと思います。
固定を乗りこなすのは、たぶん、慣れだと思います。

今度、フリーさんのピストを固定にした状態で、乗らせていただけませんか?
2011.07.07 Thu 05:44 URL [ Edit ]
Posted by フリー
>今度、フリーさんのピストを固定にした状態で、乗らせていただけませんか?

断腸亭さん、OKですよ。水元公園で試乗しますか? 僕もちょっと乗ってみたい気もします(怖いものみたさ)。ただ僕の乗っているブートレッグは本物のピストと違ってフロントとリアがシールドベアリングになっているんです。タイヤが良く回っているのはそのせいです。今度、BBをセラミック化する予定ですが、そうなったら、ますますタイヤの回転が良くなって、下り坂が怖くなるかもしれません(セラミック化とブレーキ強化は機能のない自転車の保険と考えています)。

イーストリバーサイクルで近じか固定ギアのサイクリングを予定してますねえ。岡野店長たちは、固定でヤツビ峠を過去に登ってます(!)。体重移動がキモなんだそうです。

>フリーさん。凄いってか強いですね。

しゃあさん。全然凄くないって! 快速じゃなくて快適な自転車を求めたらそうなっってしまっただけなんです。登れない坂、けっこうありますよ。それでもシングルギアばかり乗っている僕はエセサイクリストだと思っています(笑)。

2011.07.07 Thu 10:21 URL [ Edit ]
Posted by フリー
>型落ちしたピストのフレームを買う→後輪だけ比較的良い物を買う→自分で組むということで、安上がりに仕上げられればと思います。

断腸亭さん、ピストフレームは今ものすごく高価なものになってます。サイクリ―でこの前見たら、傷だらけのフレームが5、6万! 10年前の10倍だそうです。どなたか身近に余っているフレームがあるといいんですけどねえ。

それよりいっそのこと、イーストリバーでVIVAROの新品フレーム買っちゃいますか?(悪魔の囁き)
2011.07.07 Thu 14:15 URL [ Edit ]
ありがとうございます Posted by 断腸亭
フリーさん

いろいろとアドバイス、ありがとうございます。
現状では、経済的な観点から、ポンと買うことはできません。
閑を見つけては、イーストリバーサイクルにも行ってみます。

水元公園までいらしていただくのは恐縮千万ですが、是非、お願いします。
今週の日曜なんかでも私は構いませんが・・・。
2011.07.07 Thu 18:21 URL [ Edit ]
ピストのフレーム Posted by 断腸亭
フリーさん

前輪は、ロード用を流用するつもり(後輪とデザインが違っても、全然気にしない私)。
フレームは、これなんかいいですね。
http://www.citygrounds.com/blog/index.php?tag=masi-speciale-sprint
後輪は、ピスト用を買わざるを得ませんが、やはり、メンテが楽なカップアンドコーンがいいかなあ。

日曜日、もし可能なら、水元公園界隈ポタもやりましょう。
2011.07.08 Fri 05:49 URL [ Edit ]
Posted by フリー
断腸亭さん。
ごめんなさい。今度の土、日曜日は、あいにく用事があり水元公園にいけません。はっきりと行ける日が判った段階でメールいたします。
2011.07.08 Fri 08:33 URL [ Edit ]
そのうち、お願いします Posted by 断腸亭
フリーさん

いえいえ、急なお願いで申し訳ない。
ご都合のよろしい日に、よろしくお願いします。
2011.07.08 Fri 20:02 URL [ Edit ]

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